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事故発生から3月11日で13年を迎える東電福島第1原発の今

東電は先月、今年度中に予定していた、事故で溶け落ちた燃料デブリの試験的取り出し着手を断念。着手時期を「遅くとも今年10月」とした。廃炉作業で最難関とされる燃料デブリの取り出し延期は3回目。

現在、福島第1原発では毎日約4千人が作業に従事している。取材当日は快晴で真冬とは思えない陽気。構内の96%で普通の作業服で仕事ができ、他の工事現場との違いは感じない。ただ、原子炉建屋から離れた事務棟付近の空間線量が1時間当たり0・3マイクロシーベルト程度なのに対し、事故を起こした原子炉建屋に近付くと、移動用バス車内の線量計は、長時間の滞在でも影響は少ないと思われるが、1時間当たり27マイクロシーベルトを示した。事故発生から13年が過ぎても、燃料デブリや原子炉格納容器内部の詳しい状況は分かっていない。

試験的取り出しに成功した後は、燃料デブリの詳細を調べ本格的な取り出し方法などを検討することになる。

国際廃炉研究開発機構(IRID)は第1原発の燃料デブリの総量を880トンと推定。一方、処理水の海洋放出について、東電は約30年かかるとみている。いまだ、廃炉のゴールは見えていない。




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