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政界を揺るがした捜査のきっかけは、1人の「教授」の執念だった

神戸学院大の頭にバンダナを巻いた上脇博之教授、バンダナ姿は学生時代から変わらないという。第三者である上脇さんが刑事告発をするのは、これが初めてではない。およそ四半世紀もの間、「政治とカネ」について告発し続けてきた。口で言うのは簡単だが、実際は膨大な資料を読み込み、分析して疑惑を見つけ出すという地道な作業の繰り返し。大学での講義や自身の研究で多忙であるにもかかわらず、この作業を長年続けてきた。

一連の裏金疑惑のはじまりは昨年10月、「しんぶん赤旗」が自民党派閥の政治資金収支報告書の問題を報じたことだった。上脇さんは赤旗の記者からコメントを求められた際、収支報告書などの資料を見せられた。政治資金規正法は、パーティー券を1回で20万円を超えて購入した企業や個人の報告書記載を義務づけている。だが見せられた報告書は不自然だった。派閥名の後に議員名を括弧書きしたものがある。収支報告書を長年、見てきた上脇さんは直感的に思った。「組織的に悪質なことをしているとしか思えない」そこから、気の遠くなるような作業を開始した。



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